東京弁護士会副会長 山下紫先生(6部50期)

1)副会長が「東弁」の中でどのような役割をして、その職務はどのようなものなのか、簡単にご説明ください。

当年度執行部のトップはもちろん会長ですが、東弁会長は日弁連の筆頭副会長を兼任し日弁連レベルで数々の重要課題を担われるお立場であるため、日々の東弁の運営は、専ら副会長たちが職員と協力しながらまわしています。
職務の内容としては、外部団体等への対応、他会及び他弁連との共助や調整、地方大会等への出席、東弁委員会(協議会等を含む。以下同じ。)の監督、三会ものの委員会への出席、職員への指示・監督、問題のある会員への指導などが挙げられます。外部団体等と一口にいっても、裁判所、検察庁、警察、報道機関もあれば外国の弁護士(会)など様々にあり、また、それらへの対応の形態も、表敬訪問や式典参加など儀礼上のものもあれば苦情的対応、国内外の会議への出席など多岐にわたります。担当する委員会の数は、1人当たり30~40ほど、職員に関しては1人当たり1課を担当として割り当てられており、また慣例的に3会派から出身副会長のうち期の上の方の3名が労務担当副会長となり、職員採用面接や人事評価、人事異動や毎月の労使交渉を担っています。
決定事項については、対外的な影響や予算規模によって、職員が決められるもの、担当副会長決裁が必要なもの、理事者会の決済が必要なもの、常議員会の議決が必要なもの、総会の議決が必要なもの、と多数の規則や細則、要領によって定められており、これらに沿って必要な手続を踏んで組織としての決定を行っています。

2)副会長になることを決意した理由を教えてください。

①ご相談した副会長経験者の方々から、貴重な経験であるから是非引き受けるよう 励ましていただいたこと、
②後進となる若い女性たち、又子ども世代に、弁護士はもちろんのこと、あらゆる職種において、女性が組織のマネジメント側で働く姿を当たり前のこととして見ていただくことの必要性と意義を感じていたためです。

3)副会長在任中に達成したい目標、あるいは達成したことはありましたら、具体的に教えてください。

達成という程ではありませんが、運用が始まったばかりの東弁公式LINEに、安否確認やサバイバルカードの掲載等、災害時の会員との連絡・情報提供ツールを1つでも増やすことができたことです。

4)副会長の業務について「やりがい」を感ずることがありましたら、具体的に教えてください。

事務所とは異なる職員と出会い、事務所でやってきた業務とは違う仕事にその方々と一緒に取り組む機会を与えられたことに、最もやりがいを感じました。
職員のみなさんは、東弁の活動範囲が多様であることと相俟って、弁護士から要求される専門性が高く又難しい事柄を、毎年上司が入れ替わるという特殊な状況下にもかかわらず、継続性をもってこなしておられ、こちらも大変、勉強になりました。

5)今後、副会長に就任を考えられる方に一言をお願いいたします。

6人で分担しているとはいえ、副会長それぞれが東弁の名前を背負っており、会派とは全くレベルの緊張感とやりがいがあります。また、この年齢になって、自分より優れた副会長たちと毎日机を並べ意見を交わし汗をかく経験はなかなかに得がたいものであり、退任した後も続く人間的な財産となります。
推薦された場合は是非お引き受けいただきたいと思います。